日本人が英語を「使えない」原因
日本人が英語を何年も勉強しても身につかない原因は、「文法」と「発音」を「体感」で身につけていないからです。
「発音」はともかく、「文法」こそ学校でたくさん勉強させられて、分かっていると思っていらっしゃる方が多いです。
ところが実際には、大学受験などで「成功」して、超有名大学に行ったような人でも、大人になってから「文法」を覚えている人はほとんどいません。
受験で必要なのは「丸暗記」でも乗りきれるような「知識」です。
でも、「丸暗記」は表面的な記憶力に頼っているので、「身につき」ません。そのため、受験などが終わってしまうと、跡形もなくコロっと忘れてしまうのです。
なぜ「文法」が「身についていないのか?」、どうやったら「文法」を「身につけられるのか」について、ご説明します。
そもそも、文法って何?
まずは、文法がなぜ大切なのか?ということを理解するために、「文法」とは何かを考えてみましょう。
端的にいうと
文法は、単語を並べて意味のある文を作るためのルール
です。もっと分かりやすいように、次の例をご覧ください。
ニューヨークの大学院に留学することになった姪。その姪から、まったく予期していなかったお願いが…。
「おばちゃまって、本当に空間づくりをするのが上手でしょ
(いえいえ、あなたのお口の方がよほど…)。
だから、ニューヨークのアパートをおばちゃまのセンスで素敵にしてぇ〜」
頼まれるとイヤとは言えないこの私。さっそくニューヨークへと旅立ちました。
これは、私がニューヨークの大学院に留学した際、叔母(「マダム市川」)に新居に来てもらって、新しいアパートを住めるように整えてもらうことにしたときの話です。
前に住んでいた知人から、アパートの契約と家財道具一式を譲り受けたので、友人の持っていた家具や生活用品がたくさんあって助かりました!
ですが、留学ビザの発給が遅れに遅れ、学校が始まる2日前にNY入りすることになったので、「部屋づくり」をする余裕がまったくありませんでした。
こちらの本からの抜粋です
一番はじめの文だけ、取り出してみてみましょう
ニューヨークの大学院に留学することになった姪。
その姪から、まったく予期していなかったお願いが…。
では、次の文を見てください
ニューヨークが大学院で留学したことがなる姪。
その姪へ、まったく予期していなかったお願いに…。
何となく意味は分かりますが、ちょっと変ですよね。
この文は、以下の言葉だけ変えています。
ニューヨークが大学院で留学したことがなる姪。
その姪へ、まったく予期していなかったお願いに…。
が、で、へ、に
は、「てにをは」といった言葉の選び方が間違っていますね。
した、なる
は、「する(未来のこと)」→「した(過去のこと)」
「なった(過去のこと)」→「なる(未来のこと)」
と、時間を間違えているので、言葉が違っています。
もっとスゴイ例にしてみましょう(笑)
お願いニューヨークが留学した。
予期へ、まったく大学院したなる姪に…。
ここまでいくと、もはや意味が分かりにくいですよね。
「姪」が関係しているらしい。
「ニューヨーク」の「大学院」に「留学」したのかな?
「なにか、お願いがあるのかな?」
「予期って、何を予期するの?」
これは、その前のヘンテコ例文の単語を、メチャクチャな順番で並べただけです。
でも、もはや意味がよく伝わらないですよね。読み手は、たくさんの「????」を頭に浮かべながら、「こんな感じの意味かな?」と推測するしかありません。
これが、文法がメチャクチャな文です。
そして、残念ながら多くの日本人は、こういう英語を話し、こういう英語を書きます。
正直、あまり賢そうに見えませんよね(苦笑)。
仕事にしろ、勉強にしろ、あるいは日常生活にしろ、これで相手から尊敬されようというのは、かなり無理があります(涙)。
というか、そもそも自分が思っていることの半分くらいしか伝わっていないか、誤解されることが多くなります。
文法は、単語を並べて意味のある文を作るためのルール
ですので、ルールに従って書いたり話したりしていないと、相手に通じないのです。
そのちょうど逆で、文法がしっかり身についていたら、相手の言っていることが一言一句、すべて聞こえなくても、文法力で「空白を補って」理解することができるようになります♪