帰国子女じゃなくても、通訳になれる?

帰国子女じゃなくても、通訳になれる?

今日の ACE Club (Aya’s CLEAR English Club)で、Mちゃんがとても良い質問をしてくれました。

「帰国子女じゃないし、留学したこともないけれど、通訳になりたいです。なれますか?」

結論から言うと、なれます!

(CLEAR Englishの「発音クラス」「文法クラス」を受講している人は、誰でも無料で参加・視聴できるのが ACE Club なので、参加していなかった人も興味があれば録画を見てください。31:20あたりから、Mちゃんの質問が始まっています)


クラスの動画を見る

私たちは「帰国子女」というと、「英語がペラペラな人」で、「自分なんかは絶対にかなわない英語力を持っている人」と思いがちですよね。

たしかに、帰国子女の人たちは(多くの場合)小さい頃に外国語を話す環境にいたので、大きくなってから苦労しなくても、発音が良いことが多いです。

けれども、それ以上ではない!

ということも多いのですよ。

帰国子女で、いっけん「ぺらぺら」英語を話している人でも、よく聞いてみると文法が間違っていることはかなりあります(もちろん、そうでない人もいますよ)。

そして、「小さい頃に外国で暮らしていた」から、たしかに外国語(の、とくに発音)は有利ですが、「小さい頃の話し方」しかできないまま大人になってしまった人もいます。

立派な大人が、いっけん「ぺらぺら」なのに、話し方が子どもっぽいということも、けっこうあります。大人にふさわしい言葉使いができなかったり、ちょっと込み入った話になると文法がメタメタになってしまう人もいます。

… といっても、「帰国子女」の人をこき下ろしたい訳ではないのです。

ただ、「帰国子女」=「英語が有利」=「そうでない自分なんかには、絶対にかなわない存在」

と思う必要は、全然ないのです!!!

ということは、声を大にして言いたいです。

ここまでは、英語を学んでいるすべての人に言いたいことです。

次に、通訳になりたい!と思っている非・帰国子女の人へ。

通訳には少なくとも2カ国語の語学力(たとえば、日本語と英語)が、高いレベルで求められます(必ずしも帰国子女の人は「日本語力」が高くないこともあるので、ここでも「帰国子女じゃない自分はダメ」と思う必要はまったく無いわけです)。

でも、それだけではありません。

通訳には、専門分野での知識が必要です。(たとえば、私は金融、医療、それから国際人権法などがどちらかというと詳しいです)。これは、帰国子女である・ないに関わらず、誰もが勉強しないと身につかないことです。

それから、通訳技術も必要です。

通訳技術とは「他人の発言を100%理解して、それを100%正しく再現する力」のことです。理解力、記憶力、発話力などが求められます。

ですので、「英語ができる」というのは、通訳者に必要ないろいろな能力のなかの一つに過ぎません。もし、「自分は海外経験もあまりないから、英語力ではどうしても劣ってしまう部分がある」と思うのであれば、上記の他の能力をたくさん伸ばすことで、カバーできることもあります。

もちろん、そうやって努力していけば英語力も着実に伸びますよ(^_-)-☆

そして、帰国子女の人は、自分の強みと弱みをしっかり分かったうえで、ぜひぜひ精進してください。謙虚に努力を続けた帰国子女の人は、とても素晴らしい通訳者になっていますよ。